駐車場などに使用される土間コンクリートにも、それが適切に施工されるための一定の基準が設けられています。
安心安全で快適な生活を送るために設置されたものが有効に機能するために必要な基準ですが、では土間コンクリートの場合にはどんな基準があるのか見てみましょう。
土間コンクリートとは?
土間コンクリートとは、地面に対してに平らに舗装されたコンクリートのことを言います。
雑草の繁殖を防ぎ雨天時の水や泥はねから人間を守るために、玄関アプローチや駐車場などに施工されることが一般的で、地盤の上に砕石を敷いて踏み固め、コンクリートを敷設して施工されます。
土間コンクリートは厚さが大切!
地盤の上に施工されますから、その上に何が載るか、何が通るのかで要求されるコンクリートの強度や厚みが変わってくることは当然ですね。
コンクリートの厚さが不足しているとひび割れの原因にもなりますから、とても重要なポイントです。
厚さ不足が原因として考えられることの一つに、業者による施工ミスや確信的な施工不良があります。
【用途別】土間コンクリートに必要な厚さ
外からでは分かりにくい土間コンクリートの厚さですが、とても重要なのだということはご理解いただけたことと思います。
では具体的に個々のケースを見ていきましょう。
駐車場
駐車場には車が乗り入れますから、人間のみが通行する場合よりもより厚さが必要になります。
また軽自動車や普通乗用車と大型トラックでは要求される厚さは当然変わってきます。
普通車の場合
軽自動車や普通乗用車の場合、全体の厚さは15㎝を必要とします。
ベースとして砕石などを5㎝敷設して踏み固め、ワイヤーメッシュを設置します。
ワイヤーメッシュを設置することで土間コンクリートの強度を増すことにつながります。ここにコンクリートを10㎝の厚さで施工していきます。
この時コンクリートの厚さが不足しているとひび割れの原因になり、逆に厚すぎるとワイヤーメッシュが耐えきれずに割れてしまうことがあります。
また駐車場が広い場合にはコンクリートの収縮を吸収してひび割れを防ぐ目地を入れる必要があります。
大型車の場合
大型トラックなどが乗る土間コンクリートは全体で40㎝程度が必要です。
ベースである砕石を15㎝敷設して踏み固め、ワイヤーメッシュではなく鉄筋を組んでいきます。ここに25㎝の厚さでコンクリートを施工していきます。
いずれの場合も台数や元々の地盤の状況などを考慮して施工することが重要ですので、事前によく打ち合わせる必要があります。
玄関アプローチや犬走り・納戸など
人間や自転車などが利用する場合には強度はそれほど要求されませんが、乗用車と同程度の施工を行うのが一般的です。
砕石などの厚さが不足するとひび割れの原因につながりますし、ワイヤーメッシュを入れない場合も同様です。
土間コンクリートは後から部分的な補修を行うのが難しいので、強度が必要ではなくてもしっかりと施工する必要があるのです。
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【地盤別】土間コンクリートに必要な厚さ
このように土間コンクリートを施工するには一般的な基準がありますが、これも元々の地盤の状況によって大きく変わってきます。
この場合の良い地盤とは固い土質のことを指しますが、柔らかい地盤の場合には状況によって施工する厚さなどを考慮していく必要があります。
良い地盤・悪い地盤とは?
上記のように、良い地盤とは固い土質の地盤を指します。歩行の際に靴が沈むような柔らかい地盤は良い地盤とは言いません。
また雨天時に車の走行が困難になるような地盤も同様に良い地盤とはいえません。
このような地盤の状況でコンクリートを敷設しても、コンクリートが沈んでしまう可能性が大きいことは想像にかたくありません。
良い地盤でも土の状態によって対策が必要
土間コンクリートを敷設するに際しては、雨天時の状況を考慮することが重要です。
水を含むと歩行が困難になるような地盤の場合には、ベースとなる砕石の厚さを2倍にするなどの対策が必要になります。
悪い地盤なら表土の入れ替えが必要な場合も!
また柔らかい地盤(悪い地盤)の場合には、表面の土を砕石などに入れ替えてから固く踏みしめる作業を行う必要があります。
このように地盤の状況は土間コンクリートの仕上がりに大きく影響してきますから、コンクリートを敷設する前に十分な対策を行う必要があるのです。
地盤を考慮することなくコンクリートを敷設しても、将来的にひび割れや陥没してしまったら何の意味もありません。
たとえば壁紙を張り替えるリフォームを行う場合でも、下地をきれいに整えないと壁紙が剥がれてきたりデコボコができたりすることがあります。
地盤が悪いのにコンクリートで表面だけを整えても、コンクリートが沈んできたりひび割れが起こる危険があるのです。
悪徳業者のこんな作業に注意!
車やトラックが利用する駐車場にとって、耐久性や強度はとても重要です。
ベースとなる砕石や強度を補強するワイヤーメッシュを入れない、十分ではない。コンクリートの厚さを基準量使用しないで施工する。
このような施工はその時は分からなくても、将来的に大きな事故を生む可能性がありますし、何よりも安心安全に利用することができません。
土間コンクリートを敷設する際には、十分に注意して施工業者を選ぶ必要があるのです。