外構やカーポートなどの多くは土間コンクリートで仕上げられていますが、少々味気ない。
実用的だけれど、庭造りも楽しみたいんだよなぁ。こう感じたことはありませんか?
確かにコンクリートで覆われた一画は殺風景かもしれませんが、仕上げの方法やデザイン性の高い素材の開発などにより、土間コンクリートを遊ぶことが可能になっています。
土間コンクリートの仕上げ方4種をおさらい
それでは土間コンクリートの仕上げ方をおさらいしておきましょう。
土間コンクリートには、代表的な4つの仕上げ方があります。伝統的な金鏝仕上げ、刷毛仕上げ、洗い出し仕上げ、近年人気のデザインコンクリートです。
もっとも一般的な金鏝(かなこて)仕上げ
記事紹介:【施工事例】駐車場土間コンクリート!! –
本日の施工事例はシンプルな土間コンクリートです。
しかし、なぜこんなシンプルな施工事例をUPするのでしょうか … – http://t.co/ByzkEzgh58 pic.twitter.com/8TRa8FOj5G— (株)ガーデンテクノス (@gardentechnos) 2015年8月17日
土間コンクリートの仕上げ方法として、もっとも一般的な方法です。
コンクリートの表面をコテで平らに、滑らかに仕上げていきます。コンクリートが完全に固まってしまう前に、何度かこの作業を繰り返します。
固まり具合などの見極めが仕上がりを左右することもあり、職人の腕が問われる工程でもあります。
滑り止めとしても有効な刷毛引き仕上げ
土間コンクリートの表面に刷毛目を入れて仕上げる方法です。
刷毛目が入ることで表面がザラついた仕上がりとなり、滑り止めの効果を併せ持ちます。
勾配がある土地の駐車場や玄関アプローチなど、雨天、降雪時の滑り止めとして使用されます。
浮き出た砂利がアクセントの洗い出し仕上げ
コンクリートに砂利や小石などを混ぜ込んで敷設し、表面を洗う作業で混ぜ込んだ砂利や小石を浮き上がらせる方法です。
手間や時間がかかるので費用もその分高額になりますが、砂利や素材の色合いを鮮やかに表現することが可能で、デザイン性に優れています。
日本家屋などで使用される機会が多い手法ですが、現代風なアレンジも可能です。
より本物に近くなったデザインコンクリート
上記の伝統的な土間コンクリートの仕上げの他に、近年人気となっているのがデザインコンクリートと呼ばれる手法です。
既存の土間コンクリートを壊すことなく施工が可能で、色や模様の選択肢が多いこと、費用がリーズナブルなことも人気の理由でしょう。
主な手法にスタンプとステンシルがあり、スタンプは文字通りコンクリートの表面に型押しして模様を付けていくもの、ステンシルは型紙をあてて柄を抜いていくものです。
色柄の自由度が高くデザインも豊富ですが、表面をコーティング仕上げしているためメンテナンスをする必要があります。
また経年劣化によって表層部が剥がれて下地の色が露出することがありますが、セメントそのものに色付けしているタイプのものだと露出を目立たなくすることができます。
土間コンクリートをおしゃれにデザイン!
さて味気ない土間コンクリートをおしゃれに演出したい場合、どのような方法があるのでしょうか。
土間コンクリートに色や模様を付ける、目地で遊んでみる、そして先ほど述べたデザインコンクリートにしてみるといった方法が考えられます。
色や模様でオリジナル土間コンクリート
たとえばコンクリートに色を付けてみる、手形や足形などの模様を入れてみるのも面白いのではないでしょうか。
きれいな石やガラス、陶器や貝殻などを埋め込むこともできますね。
思い出のあるアイテムであればちょっとした記念になりますし、世界に一つしかないオリジナルでオンリーワンな土間コンクリートを作ることが可能なのです。
ひび割れ防止だけじゃない!伸縮目地(筋切)で遊ぼう
よく見かけるのが、伸縮目地(筋切)が入れられた土間コンクリートです。
目地の本来の目的はコンクリートのひび割れを防ぐこと。
コンクリートは温度変化の影響によって膨張や収縮を繰り返しますが、一定の間隔で目地を入れることでこの変化を吸収し、ひび割れを抑制する効果があります。
そして目地の入れ方や種類を工夫することで、デザイン性を高めたり遊び心を演出することもできます。
エキスパンタイ
5種類のゴムや塩ビなどの素材の良さを組み合わせた目地材で、直線が美しい仕上がりが期待できるもっともポピュラーなものです。
吸収性、施工性が高いところも人気の一つとなっています。
エラスタイト
昔から使用されてきた目地材で、素材はアスファルトがメインです。
耐水性が高いことから防水施工で使用されることも多く、吸収性能を高めるために繊維を加えるなどの改良が行われてきました。
アスファルトが素材であるためにカットしにくい面もあります。
植栽
目地材として植物を使用するという方法もあります。
よく使用されるのが玉竜というグリーンで、非常に強い多年草です。手間もほとんど必要なく、味気ないコンクリートの隙間にグリーンによる潤いを与えてくれる優れものです。
砂利
目地材として砂利を使用することもあります。砂利を使用する利点としては、雨水を吸収してくれることがあります。
カラー砂利を使用すればアクセントのバリエーションも増え、オリジナルの土間コンクリートを演出することも可能です。
ピンコロ石
ピンコロ石は約10㎝四方に切りそろえられた石のことで、玄関アプローチや花壇などにも利用されます。
色合いもさまざまあるのでカラフルな演出が可能で、石の微妙な風合いを楽しむことができます。
人工的な目地材よりも、自然なテイストを活かしたい場合におすすめです。耐久性も高くデザインやカラーも豊富ですが、施工費用が割高になることもあります。
レンガ
微妙に色合いが異なるレンガを組み合わせることで、目地をおしゃれに演出することができます。
レンガは経年変化によって味わいを増し、メンテナンスもほぼ必要ありません。ただしどうしても洋風テイストなので、周辺環境や家屋との一体感にも気を配りたいものです。
インターロッキング
インターロッキングとは、色を付けたコンクリートブロックのことです。
カラーバリエーションや組み合わせ方が豊富なので土間コンクリートの目地でオリジナリティを表現したり、遊ぶことも可能です。
水はけも良いのですが、雑草が生えてくることもあります。
モザイクタイル
こちらも豊富なカラーバリエーションにより、自由なサイズ、色の組み合わせでオンリーワンな土間コンクリートを創り上げることができます。
ただし素材によっては滑りやすいことがあるので、注意する必要があります。
樹脂塗装
目地そのものを塗装してしまうという手法もあります。
これには基本となる骨材が必要ですが、砕いたガラス片や小石などを利用します。この骨材をモルタルなどで下地を仕上げた上に施工していきます。
鮮やかなカラー、自然な石の風合いを活かした仕上がりで、土間コンクリートとフラットな凹凸のない目地となります。
デザインコンクリートで手軽に希望のデザインへ!
土間コンクリートの表層部分に加工することで、オリジナリティに富む空間を創造できるのがデザインコンクリートです。
下地をいじる必要がないので施工性が高く、本物のタイルよりも安価で施工可能、しかもデザインが豊富です。
石やタイル、枕木やレンガなどの素材を使用すると高額になる施工費が、コンクリートと大差ない価格で再現できるのですから人気の理由がわかるというものですね。
デザインコンクリートのデメリットとして言われる剥がれも、目立たない材料、工法が提供されてきています。
ひび割れしにくい設計やデザインがある
コンクリートは温度の変化によって膨張と収縮を繰り返します。
これがひび割れを起こす原因ですが、適切な間隔で目地を入れることで防げるのは先に述べたとおりです。
目地のみではなく直角の角を落とすこともひび割れを防ぐ効果があり、土間コンクリート=ひび割れという時代は過去のものになりつつあります。
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土間コンクリートのデザインはどこへ依頼するか?
では土間コンクリートのデザインは、どこへ依頼すれば良いのでしょうか。
建築施工と切っても切り離せないハウスメーカー、外構工事を専門に行う業者、ガーデンデザイナーや設計事務所などが一般的でしょう。
ハウスメーカー
依頼先としてまず思い浮かぶのが、建築や家の内装外装を手がけるハウスメーカーです。
新築住宅販売とセットで提供されることも多く、施工実績も豊富です。細かいニーズに応えてくれるかは、よく打ち合わせてみる必要があります。
施工を外注されることが多いので割高になる可能性もありますから、比較検討することが重要です。
外構専門業者(エクステリア業者)
外構工事の専門業者に依頼する方法です。
得意分野を見極めて依頼する必要がありますが、専門であるだけに細かい疑問や注文に応えてくれる可能性が高く、より良い提案を受けられることも。
直接取引なので余計なマージンが乗らない分、割安で施工できることもあります。
ガーデンデザイナー・設計事務所
こんなイメージにしたいというこだわりがある場合には、デザイナーや設計事務所に依頼する方法もあります。
デザイン性やオリジナリティを求める場合にはとても有用ですが、設計料などの費用がかかり高価になる可能性もあります。
土間コンクリートのデザインはどこへ依頼するか?
土間コンクリートも施工方法や仕上げによって、さまざまな表情を見せてくれます。
一部にDIYを取り入れて、世界に一つしかないオリジナルな世界を創り上げることもできます。
業者に自分の希望するイメージを伝えて、価格面を重視するのか、デザイン性を重視するのか比較検討して見極めることが大切です。