駐車場や玄関アプローチなどに使用されることの多い土間コンクリートは耐久性が高いと言われていますが、実際はどうなのでしょうか。
また長持ちさせるために、どのようにメンテナンスしていけば良いのでしょうか。
法的な耐用年数は15年
一般的にコンクリート舗装された道路の耐用年数は20年とされていますが、実際の調査においては30年前後でも構造に異常が認められない例も報告されています。
また税法上の耐用年数は15年で、アスファルト舗装道路は10年とされています。海外における設計耐用年数は20年より長く設定されることが多いようです。
土間コンクリートはアスファルト舗装より頑丈
駐車場を舗装するのにコンクリートとアスファルトのどちらを使用するかで迷うことがあるかもしれません。
コンクリートは砂利や砂をセメントで混ぜたもので、ワイヤーメッシュや目地を入れて舗装する必要があるため施工費用や期間がかかります。しかしながら、コンクリートは耐久性が極めて高いため、経年劣化による打ち換えの頻度も少なくてすみます。
アスファルトは砂利や砂をアスファルトで混ぜたもので、補強の必要なく施工可能です。そのため費用はコンクリート施工の5~6割程度で済みますが、アスファルトはコンクリートに比べて強度が劣り、また夏場は表面温度が急上昇する危険があります。
つまり、ライフサイクルコスト(施工費用+維持管理費用)で考えると、コンクリートの方が低く済ませることができます。
お手入れとメンテナンスが大切
耐久性が高くメンテナンスフリーと言われる土間コンクリートですが、きれいに長持ちさせるためには日常的な掃除が必要です。
多少の汚れは中性洗剤などで落とせますが、カビや苔などのひどい汚れは高圧洗浄機で落とすのがおすすめです。また細かいクラックなどは、補修材で目立たなくすることができます。
土間コンクリートが劣化する原因
長期間土間コンクリートを使用していると、思わぬ劣化に気づくことがあります。では土間コンクリートが劣化する原因となるのは、どのようなことでしょうか。
同じ場所に荷重がかかる
土間コンクリートは上に乗る車などの重量を考慮して施工しています。
しかし長期間同じ箇所に負荷がかかることによってひび割れが生じたり、ひどい場合には沈下してしまうことがあります。
こうしたことが起きるのはコンクリートそのものが原因というより、地盤が軟弱だったり下地の量や締め固めが不十分だった場合に起こる可能性が高いと言えます。
水が溜まっている
一見、フラットに見える土間コンクリートですが、実は雨天時などに水が流れるよう勾配が設けられています。
この勾配が足りなかったり、勾配が設けられていないと駐車場に水たまりができることがあります。水たまりは苔やカビなどの温床になってしまう他、冬季には凍結してしまうことがあり、大変危険です。
直射日光があたる
コンクリートは温度の変化によって膨張や収縮を繰り返す特性がありますが、直射日光などによって膨張したコンクリートは、ひび割れを起こす可能性があります。
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土間コンクリートを長持ちさせる方法
ほぼ手入れが必要ないと言われる土間コンクリートも、長期的には劣化の道をたどります。
ではダメージを最小限に抑え、長持ちさせるためにはどうすれば良いのでしょうか。
日常的なお手入れ方法
土間コンクリートを掃除するには、デッキブラシを用いるのが一般的です。その際、洗剤は酸性のもの以外を使用します。
コンクリートは酸性雨などの影響によって劣化していくように、酸性の洗剤はコンクリートの表面を傷めてしまう、溶かしてしまう可能性があります。
アルカリ性洗剤を使用する場合でも、できるだけ薄めて使用するようにしましょう。
タイヤ痕をつけない&消す方法は?
タイヤ痕を100%防げるかどうかは不明ですが、最初から痕が付きにくい素材を全部または一部に使用する方法もあります。素材だと石系は痕が付きにくく手間がかかりませんが、高額になる可能性があります。
事前に表面をコーティングするという方法もありますが、剥がれることもあるので定期的なメンテナンスが必要になります。
通常は汚れが付いてすぐに高圧洗浄機などで洗うのが効果的です。
水勾配をしっかりつける
これから土間コンクリートを打つ場合に注意したいのが、十分な勾配を取ることです。
この勾配が設けられていない、角度が不十分だと排水が滞って水たまりができる、敷地の湿気が高い不健康な状態になってしまいます。
スペースや立地条件などによってどうしても勾配を付けられない場合、水を通すコンクリートを使用することで対応が可能です。
土間コンクリートの水勾配はどれくらい必要?
駐車場などの土間コンクリートは一見フラットに見えますが、実は必ず一定の傾きが設けられています。この傾きは水勾配(勾配)と呼ばれます。
勾配が必要なのは水はけをよくするため!
実はこの勾配は水を流すための水勾配と呼ばれるもので、この傾きがあることで水たまりができないように防ぐ役割があります。
外構工事において地盤の高低差を測ることには重要な意味がありますが、水勾配は建物(構造物)を水から守り劣化を防ぐ役割を担っているのです。
水たまりができると困るワケ
水たまりがあると人間や車の出入りに不便ですし、雨天などにより水が滞留すると苔やカビなどが発生し、構造物の劣化を早める原因になります。
また水はけが良くないジメジメした環境は建物などにも影響を与え、白アリの発生を引き起こすこともあります。冬季には凍結することもあり、大変危険です。
水勾配は2~3%が一般的
そのような事態を防ぐために水勾配が設けられるのですが、適切な角度は一般的に2~3%とされています。
たとえば奥行10mの土間コンクリートを打つ場合なら、水を流す側を20~30㎝下げることになります。この水勾配が少なすぎると水が流れにくく滞留し、逆に多すぎると違和感を感じるほどの傾斜になってしまうのです。
水勾配をつける方向
水勾配の方向は一般的には道路に向けて設けます。たいていの場合は前面道路に向けて勾配を設けますが、排水桝や排水溝へ向けて設置することもあります。
現地調査で水勾配を確保!
適切な水勾配を確保するためには、現地調査が必ず必要です。
土地や地盤の形状は千差万別ですから、必ず現地調査で現場の状況を把握する必要があるのです。特に重要なのが道路面との高低差で、道路面と同じか道路面より低いと水勾配を設置できない場合もあります。
水勾配が不要な土間コンクリートもある
水勾配を取りにくい場合には、通常のコンクリートではなく水を吸収するコンクリートを利用することでカバーすることができます。
水を吸収するコンクリートなら豪雨でも安心ですし、大切な家や構造物を水や湿気、カビから守るためにもおすすめです。