駐車場や玄関アプローチに使用されることの多い土間コンクリートですが、その仕上げ方にはいくつか種類があります。
土間コンクリートの仕上げ方なんてどうでも良いと考えるかもしれませんが、この仕上げ方によって見ばえが大きく変わってきますから実はとても重要な意味を持っているのです。
土間コンクリートの仕上げは4種類!
土間コンクリートの仕上げ方は大きく分けて4種類あります。
一般的な金鏝仕上げや刷毛引き仕上げ、洗い出し仕上げに近年人気のデザインコンクリート仕上げ。仕上げ方によって価格も異なってきますので、どの仕上げ方を選ぶのかよくチェックしておきましょう。
仕上げ工程は左官職人の腕の見せどころであり、実力が問われる部分でもあるのです。
平らな仕上がりでキレイな金鏝(かなこて)仕上げ
土間コンクリートの仕上げ方で最も一般的な方法が金鏝仕上げです。
表面を滑らかに凹凸なく平らに仕上げる方法で、シンプルかつ実用的な土間コンクリートができあがります。一見簡単そうに見える金鏝仕上げですが、ではどのように仕上げていくのか見てみましょう。
金鏝仕上げとは?
土間コンクリートを打つには、地面の上に砕石や砂利などを敷いて踏み固める作業が必要です。この上にコンクリートを割れにくくするワイヤーメッシュや鉄筋を入れ、コンクリートを流し込んでいきます。この時表面が固まり切らない内に数度に渡って鏝で平らにならしていき、滑らかに仕上げるのが金鏝仕上げです。
金鏝仕上げのメリットとデメリット
表面が滑らかなので、お掃除しやすく使い易いというメリットがあります。
金鏝仕上げはごく一般的な方法ですが、雨天時などだと滑りやすいという一面があります。そのため土地の高低差が少ない平らな場所が金鏝仕上げには最良で、傾斜地などにはおすすめできません。
価格は施工面積によって幅がありますが、1㎡5,000~10,000円程度が相場でしょう。
傾斜地にも最適な刷毛引き仕上げ
コンクリートの表面に刷毛目を入れて仕上げる刷毛引き仕上げも一般的です。
表面をザラザラに仕上げるため滑りにくく、傾斜地などに最適です。車の通行が多い場所、傾斜や段差がある場所はおおむね刷毛引き仕上げで施工されます。
刷毛引き仕上げとは?
施工方法はほとんど金鏝仕上げと同様ですが、表面のコンクリートが固まってしまう前に金鏝仕上げよりも早めに刷毛目を入れていきます。
表面の刷毛目をしっかりと付けていくために必要な作業です。
刷毛引き仕上げのメリットとデメリット
土間コンクリートの表面に刷毛目を入れる刷毛引き仕上げは、雨天時でも滑ったりスリップすることがありません。そうした特性から傾斜地や高低差がある土地のコンクリート仕上げに最適です。
デメリットとしては金鏝仕上げとは逆に、刷毛目に小さなゴミなどが引っかかって残りやすいということがあります。価格は金鏝仕上げとほぼ同じです。
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浮き出た砂利がアクセント洗い出し仕上げ
さて洗い出し仕上げは、これまでの仕上げ方とちょっと異なります。
和風の建物の玄関アプローチに利用されることが多い洗い出しですが、名前は知らなくても多分目にしたことはあるはずです。
使用する材料によって表情が変わるので、和風のみならずモダンな建築にもマッチします。またコンクリートを洗い出す方法と、砂利などの材料を表面に加える方法があります。
洗い出し仕上げとは?
土間コンクリートを打って表面が固まってしまう前に表面をスポンジなどで水洗いし、砂利や小石を色鮮やかに浮き上がらせていきます。
これは後から砂利などを加える場合でも同様ですが、職人の技術によって仕上がりに差が出る可能性があります。
洗い出し仕上げのメリットとデメリット
洗い出し仕上げはカラー砂利などを使用することで色鮮やかに仕上げることができ、また小石や砂利以外にも貝殻など多様な素材を利用することが可能です。
そのため、時として殺風景になりがちな土間コンクリートや玄関に豊かな表情を与えることもできます。表面に砂利小石などがあるために滑りにくいというメリットもあります。
デメリットは何と言っても価格が高いこと。1㎡あたり12,000円程度からと、通常の仕上げよりも割高になります。
施工価格が高いので駐車場のための土間コンクリートは金鏝仕上げ、玄関アプローチは洗い出し仕上げなどと施工場所や目的によって選ぶことが大切です。
一見コンクリートとは分からないデザインコンクリート
近年人気となっている仕上げ方法に、デザインコンクリートがあります。
一見しただけではコンクリートとはわからずデザインも豊富なことから、日本に入ってきた20年前から人気が定着してきました。施工が手軽で本物の素材を使用する場合に比べて安価で済むため、公共施設などでも利用されています。
デザインコンクリートとは?
デザインコンクリートには大きく分けて2種類の施工方法があります。
完全に固まる前のコンクリートの表面に型押しするスタンプコンクリート。もうひとつは、コンクリートの表面に模様が抜かれたシートを貼り付け、その上から着色していくステンシルコンクリートです。
スタンプコンクリート
色付されたコンクリートの表面に型押しして、模様を付けていく方法です。
コンクリートの上からの施工が可能なので、工期も変わることはありません。
ステンシルコンクリート
こちらはコンクリートの表面に模様を抜いた型紙を敷き詰め、その上から色付されたコンクリートを施工していく方法です。
スタンプコンクリート同様に、コンクリートの上からの施工が可能です。
デザインコンクリートのメリットとデメリット
デザインコンクリートのメリットは、色や柄などの種類が豊富なので自分の希望通りに仕上げる自由度が高いことです。通常のコンクリートの上から施工できるので施工の自由度も高く、工期も短くできます。
デメリットとしては定期的なコーティングが必要であることと、色付けした部分が剥がれる場合があることなどでしょう。
また本物のような見た目とはいえ、本物のような味わい深い経年変化はありません。施工価格は12,000円程度から、面積によって単価が変わることもあります。施工方法が影響するのか、広い面積を施工する方が割安になります。
組み合わせて使うこともできる
土間コンクリートの仕上げは、複数の種類を組み合わせて使う事も可能です。
さきほどもご紹介したように、駐車場は車の出し入れや掃除がラクなように金鏝仕上げにし、比較的高価な洗い出しは玄関アプローチに使って雰囲気を出すといった具合です。
色や柄が豊富なデザインコンクリートも、全面に施工すると煩い感じになるという場合もあります。ここと決めた場所だけに施工して、ほかはシンプルな金鏝仕上げとするのもおすすめ。
場所や用途によって仕上げの組み合わせも可能ですし、デザインとして組合せで変化をつけるのも面白いです。それぞれの利点を多いに利用して使ってみましょう。
土間コンクリートの仕上げで家の印象が変わる!
土間コンクリートの仕上げにはいくつか種類がありますが、どれを選ぶかによって家の表情は大きく変わってきます。
駐車場や玄関アプローチは外から一番見える部分、言わば家全体の顔のようなもの。顔が変われば、与える印象も変わるものです。
仕上げ方法や素材、色や柄などをチェックして、大切なわが家の顔を素敵に仕上げて下さい。