ミニキッチンとは、シンク、コンロや換気扇、収納といったキッチン作業に必要な機能が間口90センチから150センチのコンパクトなユニットに組み込まれた小型のシステムキッチンで、ワンルームマンションなどで広く採用されているキッチンユニットです。
ミニキッチンは、コンパクトでありながら調理に必要な機能が確保されていますので、二世帯住宅のサブキッチンとしての増設リフォームやオフィスや店舗などのキッチン新設リフォームなどに便利です。
ミニキッチンもシステムキッチンと同様に、きれいで掃除がしやすい化粧合板製や無垢板材のキッチンからオールステンレス製のミニマルデザインのキッチンなど、多様なデザインの物が各社から販売されており、リフォームされる空間のデザインテイストに合わせた選択が可能です。
またミニキッチンは、システムキッチンに比べて全体を必要最小限にまとめているため、リフォーム費用も安くあげられます。代表的なミニキッチンの機種とリフォーム費用を紹介します。
ミニキッチンのリフォームにはどんな費用が必要か?
ミニキッチンのリフォームでは、元々付いていたキッチンユニットを交換設置する場合と、新たにミニキッチンを設置する場合があります。
リフォームには、キッチンユニットの本体購入費用と設置工事費用がかかります。このうち、取り替えの場合と新設設置の場合とでは、工事費用が異なります。
ミニキッチンには、シンクの水栓金具(蛇口)への給水配管とシンク排水を流す排水配管の接続が必要です。
また、コンロのためのガス配管、IHヒーターでは専用電気配線と換気ダクトも必要です。
既設キッチンからの交換では、各接続配管・配線等は既に設置されていますので、リフォームでは繋ぎ替えだけで設置が完了します。
キッチンが無かった所にキッチンを新設する場合は、各配管・配線等を新設する費用がかかります。各工事費用の詳細は、後述します。
ミニキッチンの本体価格はどれくらいか?
ミニキッチンには、冷蔵庫を備えたものや電気温水器を備えたものなど多様なタイプがあります。
本体費用はおおむね10万から20万円ほどです。代表的なメーカーのミニキッチンの機能と費用を紹介します。
LIXIL(リクシル)のミニキッチン
出典:公式サイト
日本を代表する住宅設備メーカーのLIXILは、ミニキッチンも製造販売しています。
LIXILのミニキッチンは、間口90センチ、105センチ、120センチ、150センチのサイズが選べ、シンク下に収納扉が付いたスタンダードタイプと、シンク下が開放となったオープンタイプがあります。
シンク下が開放されたオープンタイプは、キッチンユニットの前に座って作業することもでき、高齢者や車いすを使っておられる方が使いやすいキッチンになっています。
スタンダードタイプは、シンク下の収納部に冷蔵庫や電気温水器を組み込んだモデルもあり、ミニキッチンのユニットを設置するだけでキッチンに必要な機能が網羅されます。
LIXILのミニキッチンユニットは、水切り棚やビルトイン照明が付いた台(上台)がキッチンユニット(下台)に乗ったフルキャビネットのユニットとして構成されていますが、上台のないハーフユニットも選択できます。
本体価格は、コンロのないハーフユニットが10万円台で、電気ヒーター、IHヒーターが付いたフルユニットが20万円台です。
スタンダードタイプで、冷蔵庫や電気温水器を組み込んだモデルでは、組み込み機器の費用が別途かかります。
タカラスタンダードのミニキッチン
出典:公式サイト
タカラスタンダードからは、間口120cm、150cm、165cm、180cmのフルキャビネットタイプのミニキッチンと、車いす対応の間口120cmのミニキッチンが販売されています。
フルキャビネットタイプは、木製コンパクトキッチン アピスカと木製ミニキッチン KUW型があり、本体価格は間口寸法により異なり、10万円台から20万円台です。
車いす対応ミニキッチンは、ライフサポートミニキッチンの名称で、一口IHヒーターが装備されています。価格は10万円台で提供されています。
サンワカンパニーのミニキッチン
出典:公式サイト
建築資材の通販会社であるサンワカンパニーは、木製のフルユニットミニキッチンから椅子に座って作業ができるオープンタイプミニキッチンだけでなく、ステンレス製のミニキッチンなど、多数のシリーズをラインナップしています。
ステンレス製のミニキッチンでは、シンプルなミニマルデザインが魅力で、同社のデザインセンスはグッドデザイン賞を受賞するなど定評があります。
また無印良品と協業して、無印良品のユニットシェルフと寸法、デザインテイストを合わせたステンレス製ミニキッチンもあります。
またサンワカンパニーのミニキッチンの特徴は、シンプルでスタイリッシュなデザインのミニキッチンが10万円以下の価格帯から準備されている低価格であることも大きな魅力です。
亀井製作所のミニキッチン
出典:公式サイト
ミニキッチンの製造販売に力を入れている会社もあります。それが亀井製作所です。
同社では、他社が商品展開しているワンルームマンション等で多く見られるフルユニットタイプのミニキッチンから椅子作業ができるオープンタイプのミニキッチンのみならず、オフィス向けなど用途別に多くのシリーズがラインナップされています。
高齢者向けミニキッチンであるアクティブシニアシリーズでは、デザインテイストを合わせた椅子が標準装備されているものや、対面型のデザイン、ヒノキでハーフユニットを構成することで部屋に馴染むようにしたものなど、多数の品揃えがなされているように、お使いになるシーンに合わせたキッチンが多数揃っています。
亀井製作所のミニキッチンの本体価格は、他社と同様の10万円台から各種あります。
ミニキッチンのリフォーム工事費の内訳は?
リフォームでミニキッチンを設置する場合は、本体費用に合わせて設置工事費がかかります。
本体価格の目安はすでに紹介しましたので、次に工事費用の目安を項目別に示します。
解体撤去費
すでに設置されているミニキッチンを入れ替える時に発生する費用です。
キッチンに繋がっている給水配管、排水配管、電線を外し、ガスコンロの場合はガス管も外し、キッチンユニットを撤去します。撤去後のキッチンの廃棄物処理費用を含めて3万円前後の費用がかかります。
搬入組み立て費
新たに設置するミニキッチンを組み立てて設置します。
ミニキッチンもシステムキッチンと同様に、シンク等のトッププレート(天板)とトッププレートを支えるユニット、収納棚等で構成されます。これらを組み立て設置位置に固定します。おおよそ5万円ほどの費用がかかります。
換気工事費
コンロがあるミニキッチンで換気扇を排気ダクトに繋ぐ工事です。
設置されていたキッチンを交換リフォームする場合は、排気ダクトは設置済みですので、そこにキッチンの換気扇を接続します。費用は3万円ほどです。
これまでキッチンが無かった場所にコンロ付きのミニキッチンを設置する場合は、排気ダクトを新たに設ける工事も必要になります。その費用が2万円ほど追加されます。
コンロがないミニキッチンでは換気工事は不要です。
給排水工事費
設置したミニキッチンの水栓金具(蛇口)へ給水配管を接続し、シンクへ排水配管を接続することで水作業を可能とする工事です。
キッチンの交換リフォームでは、キッチン設置位置まで各配管が来ている場合は、おおよそ3万円ほどで工事できます。
それまでキッチンが無かった場所に新たにキッチンを設ける場合は、別の場所にある給水配管、排水配管から分岐し、キッチン設置位置まで配管を延長する工事が必要となります。
その場合は2万円前後の費用が追加で必要となります。配管の延伸工事はその延伸長さなどで大きく変わります。
電気工事費
キッチンのコンロ、照明などに電気を通す配線工事です。給排水工事も電気工事も、各々の工事資格を有する専門技術者が工事することが義務づけられています。
そのため電気工事は、前述の給水工事とは別の技術者が作業し、3万円前後の費用がかかります。
ガス工事費
最近のミニキッチンは、IHなどの電気で調理するコンロが多くなりましたが、大火力が使えるガスコンロにも人気があります。
ガスコンロ式のミニキッチンでは、ガスコンロへのガス管接続工事も必要になります。工事費用の相場は3万円ほどです。
内装工事費
ミニキッチンリフォームでの必須工事ではありませんが、キッチン周りの壁紙や床が傷んでいる場合などでは、床壁をリフォームして空間をリフレッシュすることもよく行われます。
床壁の張替えは工事する範囲(広さ)で異なりますが、キッチンリフォームをする空間に繋がる部屋の壁紙、床材を一新するのが一般的です。費用は5万円前後かかります。
ミニキッチンもシステムキッチンと同様に、壁に向かい合った位置から対面式にリフォームすることも可能で、その場合は袖壁等の造作工事も必要となります。その費用は10万円ほどかかります。
工事費のまとめ
ミニキッチンのリフォーム工事費用を内訳ごとに説明しました。ミニキッチンの交換リフォームでは、おおよそ20万円ほどの工事費が必要となります。
ミニキッチンを新たに設置する場合は、追加で数万円ほどの各種配管等増設工事を要します。
リフォーム工事は、工事される各建物の状況で金額が大きく異なりますので、リフォーム工事会社に相談してみてください。ほとんどの会社が無償で相談見積りサービスを提供しています。
スポンサーリンク
まずは相見積もりをとって比較検討しよう
ミニキッチンリフォームの費用は、キッチンの本体価格と同程度の費用が工事費でかかります。
その工事費はリフォームされる各ご計画で条件が異なるため、工事費用は大きく変化します。
既に使われていたミニキッチンのユニットを交換する場合は安く工事できますが、それまでキッチンが無かった所にキッチンを設ける場合は、給水配管、排水配管等を別の場所から延伸してくる必要があり、場所により費用が変化します。
そのため、リフォーム工事のプロに相談して費用見積りを作ってもらい、費用の相場を理解することが重要です。
リフォーム工事会社は無償で相談見積りに対応してくれますので、複数のリフォーム会社に相談し見積りを作ってもらい、内容比較して工事品質と費用のバランスが良い会社を選んでください。
その場合、工事品質では工事保証の有無が費用に含まれているかも確認してください。
費用面では、別途費用として見積りに反映されておらず、工事が始まった後に請求される費用がないかを確認し、総支出費用を掴んで検討されることが重要です。
リフォーム工事会社によっては、撤去したキッチンほかの廃棄物処理費用を別途費用としている場合などもあります。
各リフォーム工事会社に相談、確認を取りながら相見積もりを入手し、納得のキッチンリフォームを実現してください。