湯沸かし器(ガス瞬間湯沸かし器)は、台所でお湯を使える便利で手軽なガス器具です。
しかし、使い方や工事が適正でないとガスが不完全燃焼などを起し、危険になることもあり注意が必要です。
安全安心にガス瞬間湯沸かし器を使うための工事について解説します。
湯沸かし器の取り付けは自分でできるのか?
ガス瞬間湯沸かし器は、設置された室内の空気(酸素)を使ってガスを燃やしお湯を沸かしています。
そのため、ガスの量と酸素の量とが適正に調整されていないと不完全燃焼などを起します。不完全燃焼では有毒の一酸化炭素が発生し、命の危険を引き起こします。
湯沸かし器などのガス器具は、適正に設置工事されないと危険を伴うことから、ガス取扱いに関する公的資格をもった技術者が工事に当たることが義務図けられています。
ガス工事には、ガス設備士かガス機器設置スペシャリストの資格だけでなく、取付け器具のガスの種類によっても異なる工事資格が設定されています。これらの資格は、ガス工事会社の技術者が保有していますので、工事はDIYで行うことなく専門業者に頼みましょう。
万一、DIYの取付け工事が原因の事故が起こった場合は、一切の保証は受けられず大変なこととなりますので、十分ご注意ください。
湯沸かし器の取り付けはどこに頼めばいい?
湯沸かし器の取付け工事は、機器販売店で工事も一緒に頼むのが一般的です。
機器購入と工事をセットで注文する場合を想定して、各販売店の特徴を紹介します。
ガス会社
自宅にガスを供給しているガス会社は、ガス器具の交換も行っています。
湯沸かし器の交換をガス会社に頼むのは、ガス会社がその家のガスの種類を知り、最適な機種を選んでくれるという安心感と、自宅での使用するガス器具で長年の付き合いのあり工事を任せて安心といった信頼感からです。
湯沸かし器は、自宅に供給されているガスの種類に合った機種を選んで設置しなければいけません。都市ガスかプロパンガスか、都市ガスでも発熱量の異なる12Aや13Aといった種類があって、ガスのタイプに合った機種を設置しないと、不完全燃焼などを起し非常に危険です。
自宅のガスは、ガス会社の検針票に記載されていますので簡単に確認できます。
デメリットは、取り扱っている湯沸かし器の種類が限定されていたり、量販店のように大きな値引きが期待できない、といった点があります。
給湯器メーカー
ノーリツやリンナイ、パロマなどの給湯器メーカーは、全国の主要都市にショールームを開設して、最新のガス器具の紹介・販売と器具取り替え相談に応じています。
給湯器メーカーのショールーム訪問のメリットは、最新の機器に実際に触れて、使い勝手を確認できることです。これは、他の購入先ではできません。デメリットは、訪問したメーカーの商品しか体験、交換相談できないことです。
自宅の湯沸かし器が故障して急いで交換するといった場合は、複数のメーカーのショールームを回って各メーカーの商品の使い勝手を実際に確認するとことは難しいですが、湯沸かし器交換に余裕がある場合は、メーカーのショールームを回って各会社の機器の特徴を体験してみましょう。
自宅に合った機器を検討するのには、給湯器メーカーのショールームは最適です。
給湯器の販売業者
どこの地域にも、ご自宅の近くに、ノーリツやリンナイ・パロマなどのガス器具メーカーの看板を揚げているガス器具販売・工事店があります。
これらのガス器具販売・工事店は、新聞折込み広告などを通して、ガス器具販売店・工事店近隣にお住いの方々にガス器具交換の営業をしています。地域密着型の事業をしていますので、急なガス器具の交換にも迅速に対応してくれるのがウリです。
その分、価格交渉への対応力はホームセンター・量販店での購入より劣る場合が多いようです。また、ガス器具販売・工事店では、取り扱っているガス器具メーカーが限定されている場合もあります。
ホームセンター
近年は、ホームセンターや家電量販店でもガス器具を含めたリフォーム商材を多数取り扱っています。ホームセンターや家電量販店での購入の最大のメリットは、価格の安さです。
各メーカーの最新型を品揃えし、ホームセンターや家電量販店のほかの商品と同じように、値引きして湯沸かし器も販売しています。設置工事もホームセンター、家電量販店と契約したガス器具工事店が行うので安心です。
さらに、全国展開している大手のホームセンターや家電量販店では、メーカーの機器保証以外に、ホームセンターや家電量販店の独自の延長保証を実施しているところもあり、さらに安心です。
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取り付けを業者に依頼した時の費用相場は?
キッチンのシンク上の壁に付けるガス瞬間湯沸かし器では、台所の水栓金具部分、あるいはシンク内の水道配管部分に分岐金具を挿入して水を分岐する配管を作る必要があります。また100Vで着火駆動させる場合は、電源コンセントも必要です。
既にガス瞬間湯沸かし器が設置されている場合は、水分岐配管・コンセントなどはそのまま使えますから、工事は短時間で完了します。費用も2万円前後で済みます。
新規に設置する場合や、分岐金具・配管が老朽化し交換する必要がある場合などでは、その分の追加費用が発生します。また、工事業者によっては、設置場所の事前確認、旧品の廃棄費用などが見積りとは別費用となっている場合もあります。
湯沸かし器の購入・設置においては、機器購入代金と工事費などを合わせた総支出費用を確認して、機器購入・工事先を決定することが重要です。
別途費用となる項目などを以下に示します。
なにが有料となるかは業者によってもまちまち
機器の購入に当たっては、本体購入費用と工事費用の見積もりを取って業者を比較検討することが重要です。
工事業者によって工事見積りに含まれる工事内容が異なる場合がありますので、見積りで別途費用となっている項目も十分に確認して総支払い費用を掴んでおくことが大切です。
工事業者による設置場所の事前確認(現地調査)が行われると、より詳細の工事見積りが得られ、別途費用とされる項目を排除することが出来ます。
事前調査のための出張費は、業者によって対応がまちまちです。機器購入先が自社で施工する場合は無料としている場合が多く、別会社へ工事委託している場合は請求されることも多いようです。
また、最近ではインターネット上で機器と設置工事を注文できる業者も増えてきています。
これらの業者では、工事にかかる経費を抑えて、機器代金・工事代金共に最安で提供する努力をしています。そのため、技術者による現地確認に代えて、注文されるお客様が設置場所の写真を撮ってネット販売業者に送り、業者は写真を基に工事に必要な部材を準備するといった事が行われています。
初めて湯沸かし器を取り付ける場合
新規に湯沸かし器を設置する場合は、湯沸かし器に水・ガスを繋ぎ込むための経路を新しく作る必要があります。
そのため、標準工事(機器取付け)とは別に水栓分岐金具、給水配管部材、ガス配管部材とその取付け工事などが必要となります。また、湯沸かし器取付け場所が十分な強度を持っていない場合は、補強工事も必要となる場合があります。
古い湯沸かし器の処分費用がかかることも!
湯沸かし器を交換する場合は、撤去した旧品の処分が発生します。
工事業者によって、標準工事費に旧品の処分費も含めているところ、旧品処分は別途費用としているところと、まちまちです。
交換では旧品処分は確実に発生しますので、見積り段階で費用に含まれているか確認するようにしましょう。
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湯沸かし器の取り付けまでの流れ
湯沸かし器の購入と同時に取り付け工事も販売店にお願いする、一般的な購入スタイルでの工事の流れについて、順を追って説明します。
取り付け業者のリサーチ&見積り依頼
ネットの口コミ、近所の方が依頼した感想などをもとに取り付け業者をリサーチします。ここが良いかなという業者が見つかれば、工事見積りを依頼します。
近所に親しい人が居ないなど、ここだという業者が自分で見つけられない場合は、ネットの一括見積りサイトを利用するのもよいでしょう。
自分で工事見積を依頼する場合は、ぜひ電話にて連絡を取ってください。電話応対の印象も、取り付け業者を選ぶ1つのポイントとなります。
取り付け場所の現地調査
工事見積を依頼すると、たいていの業者は現地調査を行います。
取付け場所の状態が確認できないと、工事業者が工事に入った時に追加工事の必要な部分が判明して別途費用がかかることがあります。最初に現地調査をして、詳しい工事見積りを算定してもらっておくことが重要です。
現地調査では、設置する湯沸かし器本体の設置場所、繋ぎ込む給水・ガスの配管経路を確認、給水配管・ガス配管で交換を必要とする部材がないか、などを全部洗い出し見積りに反映させます。
最近では、ネットなどで概算見積りをする業者もあります。その場合、取り付け場所の写真を撮影して送ったりします。
機器交換の場合は設置されている旧品のメーカーと品番を控え、機器へ接続されている水道・ガスの分岐金具、配管ほか設置機器周辺の写真を持って工事相談すると、精度の高い工事見積りが得られます。
湯沸かし器を選ぶ
湯沸かし器を交換するにあたって、機器代金、設置工事費の合計の総支払い費用を抑えるためには、いま設置されている湯沸かし器と同じ、止水方式(先止め式/元止め式)、着火電源(100V/電池式)の機種を選ぶのが、追加工事が発生せず廉価に設置するコツです。
見積りの比較検討&取り付け業者を選ぶ
湯沸かし器の購入を検討する時には、湯沸かし器本体価格と設置工事費の見積りを取って価格を検討し購入先を選びますが、その価格検討の時に押さえておくべきポイントがいくつかあります。
一つが見積り金額に含まれている工事の範囲です。事前に設置場所を工事業者に確認して貰った上での見積りでは、必要な交換部品等は見積りに反映されていますが、事前確認がない段階での見積りでは反映されていないこともあります。
その場合、交換工事の時に業者が設置されていた湯沸かし器への給水配管、水道からの分岐金具などの老朽具合を判断して、部品交換することがあります。その際は別途工事として、工事業者に費用支払いが発生します。
また、見積り業者によっては、交換撤去後の湯沸かし器の処分費を別途費用としている場合もあります。見積りを比較検討する時に、総支払い費用はいくらになるのか十分に確認して業者を選びましょう。
湯沸かし器の取り付け日時の設定
湯沸かし器の本体および工事費を見積り書で検討して発注業者を決めたら、次は工事日程の調整です。工事は、概ね3時間ほどで完了します。
工事の間は、キッチン周りが使えなくなりますので、キッチンを使うタイミングを外して工事時間を設定しましょう。
また、交換に伴い、使用していた湯沸かし器に付着していたほこりなどが流し台周りに落ちますので、工事までに流し台の周りを片づけておくことも必要です。
なお、工事後は直ぐに湯沸かし器は使えるようになります。
湯沸かし器の取り付け作業
湯沸かし器取り付けの作業内容を紹介します。
すでに湯沸かし器が設置されており、新たな機種へ交換する場合は簡単に交換工事が終わります。
湯沸かし器に繋ぎ込まれている給水配管・ガス配管を元の湯沸かし器から外した後に湯沸かし器を撤去、その後、新しい湯沸かし器を同じ場所に固定して、給水・ガス配管を繋ぎ込み、水・ガスの漏れ検査をし動作確認して終了です。
一方、新規に湯沸かし器を付ける場合は、もう少し時間がかかります。
湯沸かし器を取り付ける壁部分に必要に応じて補強をした後、湯沸かし器固定板あるいは専用に固定ネジを取り付け、そこに湯沸かし器を固定します。
その後、流し台の水栓(蛇口)に湯沸かし器に水を持って行く分岐金具と給水管を付ける工事と、湯沸かし器にガスを導くガス管を設置する工事も必要となるため、湯沸かし器の交換工事より時間がかかるのです。
<湯沸かし器交換の手順>
・古い湯沸かし器の取り外し
・新しい湯沸かし器の取り付け
・給水管の接続
・ガス管の接続
・ガス漏れチェック
・試運転
・取り扱いの説明
取り付け費用の支払い
取り付け費用は、湯沸かし器購入時に機器の代金と合わせて工事費用も一括で払うのが一般的です。
支払いは、現金払いだけでなく、クレジットカードでの支払い、コンビニ後払い決済(NP後払い)などが選べる場合も多く、見積り段階で確認して適した支払い方法を選びましょう。
なお、見積りで別途費用となっている項目(撤去した使用済み湯沸かし器の撤去費用)があれば、工事段階で工事業者に現金で払うのが一般的です。工事時点での現金払いの有無も、見積り時点で確認しておきましょう。
取り付け業者を選ぶポイント
湯沸かし器の取り付け業者を選ぶ上でのポイントを説明します。
資格者がいる業者を選ぶ
湯沸かし器の設置工事では、ガス工事の資格を持った技術者が工事する必要があることは説明しました。
無資格者が施工すると、湯沸かし器に絡んだ事故があっても保証されません。こういった事態を避けるため、きちんとした工事業者の選定が重要です。目安は、工事保証をきちんとしている工事業者かどうかです。見積りの時に確認することが大切です。
ガス会社、大手のホームセンター、量販店から給湯器を買った場合は、機器本体と合わせて工事も保証しており安心です。
撤去した湯沸かし器を無料引き取り
湯沸かし器の交換では、撤去した元の湯沸かし器の撤去が必要となります。
湯沸かし器の撤去は工事業者によって取り扱いがまちまちで、無償で引き取る業者・別途費用として工事時点で撤去費用を請求する業者がいます。
見積りの時に撤去費用を確認し、無償引き取りの業者を選ぶと工事時点で現金払いが発生せず安心です。
工事後のフォローがしっかりしている
設置工事が終わって湯沸かし器を使用していると、着火し難い等の不具合が発生することもあります。
湯沸かし器は毎日使うものですから、故障が起きたらすぐ対応してくれる工事業者を選んでおくことが重要です。
工事業者のアフターサービスの情報は、近所の口コミや、インターネットでの業者比較サイトでも確認できます。評判の良い業者に発注することをおすすめします。
相見積もりをとって比較する
湯沸かし器を購入される時に、相見積もりを取られていますか?
湯沸かし器本体の価格はインターネットで相場がわかりますが、工事費用は設置工事段階で請求される老朽化した部品の交換費用などの別途費用もあり、適正価格がインターネット調査ではわかりません。
そこで、ホームセンターや量販店、近くのガス工事会社など、複数の業者に相談して見積りを作ってもらい比較検討しましょう。そうすると機器代金/工事費用の相場がわかります。
また、業者による機器の保証期間・工事保証期間もわかり、適正な業者選定に役立ちます。湯沸かし器を購入される時は、ぜひ相見積もりを取って比較検討してください。
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湯沸かし器の取り付けQ&A
湯沸かし器の取り付け工事で多く寄せられる疑問点への回答を以下に紹介します。
湯沸かし器の寿命はどれくらい?
湯沸かし器の耐用年数は、概ね10年と言われています。耐用年数は使い方、設置されている場所の環境によっても変化します。
ガス湯沸かし器では不完全燃焼などが続くと、重大な事故に繋がり非常に危険です。もし設置して7,8年を過ぎて、着火し難くなるとか不完全燃焼しやすくなるといった不具合が出て来た場合、機器保証期間内(購入時に契約の延長保証など)であれば、すぐに販売店に相談してください。
設置して7,8年を過ぎて、さらに保証期間外であれば無理して使わず交換を考えましょう。ガス器具の不具合は命にかかわる事故が起きる場合もあり、命には代えられません。
湯沸かし器本体を自分で購入して取り付けだけを業者に依頼できる?
取り付け工事だけを請け負ってくれる工事店もあります。ご近所のガス工事店などに相談してみてください。
その場合、工事保証があるか確認することが大切です。取り付け工事の不具合で湯沸かし器の故障や事故が起きても保証が受けられなくなるからです。
一般的には、湯沸かし器の購入と取り付け工事はセットで販売されていますので、工事費用が安く設定されています。そのため、工事だけ別途発注するとなれば、セット販売での工事費用の相場より工事費が割高になることも多々あります。
湯沸かし器がつけられない場所は?
湯沸かし器は、設置された室内の空気(酸素)を使ってガスを燃やし、お湯を沸かしています。
そのため、湯沸かし器を使う時は必ず換気することになっています。換気が不十分な室内で湯沸かし器を使うと不完全燃焼を起こし、一酸化炭素などの有毒ガスが発生して危険です。
最近増えている高気密高断熱の住宅・マンションは室内の密閉性が高く、室外からの空気の取り込みなどが十分に行えないため、湯沸かし器の設置には向きません。
同じ理由で、窓のない部屋(お風呂場など)には湯沸かし器の設置は危険です。