住宅の中で、最初にリフォームされる場所がキッチンです。(国土交通省調べ)
このキッチンリフォームで考慮すべきポイント、費用の目安、費用を抑えるための注意点、工事会社ごとの特徴など解説して行きます。
キッチンリフォームといってもさまざま
キッチンのリフォームは、水栓金具、コンロやビルトイン食器洗浄器の交換といった部分リフォームから、システムキッチンの交換・キッチンレイアウト変更などの全面リフォームまでさまざまです。
水栓金具、コンロなどは、各機器の故障などにより概ね10年ほどで交換され、システムキッチンの交換は、部屋のレイアウト変更などのタイミングで検討される場合が多いようです。
ここでは、主にシステムキッチンの交換について考えていきます。
そもそもシステムキッチンとは?
ステムキッチンとは、流し台(シンク)、コンロ、収納棚などが、天板(ワークトップ)で一体化されたキッチンの作業スペースのことを言います。
システムキッチンは、設置される住宅、お使いになる方の身長などに合わせて、高さや幅などの寸法を種々のバリエーションの中から選べます。また、コンロやシンクなどの配置、キッチンの形状に関する選択肢も多く、さらに天板もステンレスや人工大理石などから選べ、扉のカラーも豊富です。
システムキッチンでは、これらの選択肢を組み合わせて各家庭用のオンリーワンキッチンを作ることができます。
システムキッチンのタイプと特徴を知る!
システムキッチンの基本となる、その形状と、各キッチンメーカーの価格帯別商品グレードの特徴を解説します。
システムキッチンの代表的な形状
システムキッチンは、設置されるキッチン室、隣接するダイニング室との関係で、その形状、レイアウトが決まり、I型キッチン、L型キッチン、U型やアイランド型などの形状があります。
各形状の特徴、メリット・デメリットなどについて解説します。
I型キッチン
I型キッチンとは、シンクと調理台、コンロが一直線上に配置されたキッチンのとこと言い、最も一般的なキッチン形状です。
このキッチンは、最も省スペースで、調理作業がしやすいキッチンとなっています。また、場所をとらなので、狭いキッチン室に向いています。
I型キッチンでは、シンク、調理台、コンロが並んで配置されるため、調理動線がほかのL型などより長くなるといったマイナスポイントもありますが、価格的には他のタイプより安くなっています。
キッチンリフォームで価格を抑えたいとお考えの場合には、最適です。
L型キッチン
L型キッチンは、L字上にシンクと調理台・コンロを配置したシステムキッチンで、I型の次に人気があります。
このタイプはシンク、調理台、コンロがL字の角部分にあるため調理動線を短く出来て、調理作業がしやすく、収納スペースも多いというメリットがありますが、L字の直角部分がデットスペースになりやすいといったデメリットもあります。
家族が多く、調理器具や食器が多いご家庭にはお勧めのキッチンスタイルです。
また、L型キッチンでは、二人でキッチンに立っても作業しやすいといった特徴もあります。
U(コの字)型キッチン
U字型キッチンは、シンクと調理台、コンロをUの字上(コの字上)に配置したキッチンです。
調理する方を取り囲むようにシンクと調理台、コンロが配置され、ワークトップ(天板)上の作業スペースも広いので、調理作業がしやすいといった特徴があります。
収納スペースもたっぷりとれるメリットはありますが、広いキッチン室でないと採用できません。複数の人が同時に調理作業するようなシーンに最適です。
自宅キッチン室空間に余裕があり、調理を楽しみたいとお考えの方には適したキッチンタイプです。
アイランドキッチン
アイランドキッチンとは、キッチンの周り一周すべてが壁に接することなく人が通れるスペースがある、島(アイランド)のようになったタイプのキッチンです。
キッチンの面積を広く取ってしまい、加熱調理作業の時の換気扇の利きが悪いといったデメリットもありますが、ダイニング、リビングと一体となったキッチンが出来て、家族と会話、調理を楽しみながら、皆で一緒に楽しく過ごせるキッチン空間を作れます。
大人数での調理にも向きます。家族で一緒に調理をするシーンなどが多いご家庭には適したキッチンタイプです。
システムキッチンのグレードを知っていますか?
システムキッチンは、リクシル・パナソニック・タカラ・クリナップ・TOTO・ウッドワン・サンワ・ハウステック・ノーリツ・トーヨーキッチンなどのメーカーが、機能や清掃性、収納性などを工夫した種々のキッチンを販売しています。
これらのキッチンメーカーでは、採用する扉材や機器の性能、キッチン収納の構造などによって、キッチンを「スタンダード」、「ミドルグレード」、「ハイグレード」などに分けた価格帯別クラスを設けています。それぞれのクラスの特徴を紹介します。
なお、すべてのグレード共通で、コンロ部分では、ガス式、IH式などが選べ、水栓金具もシャワー水栓など種々選べるようになっているだけでなく、オプションでビルトイン食器洗浄器や、ビルトイン浄水器などの設置が可能となっています。
スタンダード
調理作業で必要な機能を満たした基本構成です。
トッププレート部にシンク、調理スペース、コンロを配置し、換気扇、トッププレート上下の収納棚から構成され、一番お求めやすい価格帯に設定されています。
メーカーによってはスタンダードクラスで採用できるキッチン形状をI型、L型に限定している場合もあります。
ミドルグレード
各キッチンメーカーが中心的なクラスとして設定したキッチンです。
スタンダードクラスより上位の水栓金具、コンロなどが採用され、扉材、トッププレート材なども最も豊富なラインナップとなっている場合が多いようです。
価格帯は、各キッチンメーカーの品揃えの中で中間になります。
ハイグレード
高級感を演出したグレードで、見栄えにこだわった作りとなっています。
ピアノ塗装の扉材や、無垢板の扉材など、各キッチンメーカーで最高グレードの材料を用いたキッチンとなっています。水栓金具、コンロなども最上位機種が取り付けられています。
各キッチンメーカーの中で、一番価格帯の高いグレードになります。
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どんなレイアウトのキッチンにしたいのか?
システムキッチンには、I型キッチン、L型キッチン、U型やアイランド型などの形状があることは先に紹介しました。
次に、これらのキッチン形状とレイアウトの関係について解説します。
オーソドックスな壁付け型
古くからの取付けスタイルで、キッチンとダイニングのレイアウトにより設置場所が変化します。
キッチンとダイニングを一体とした室内レイアウトでは、一体となった室内の一方の壁にシステムキッチンを設置して、システムキッチン後方が全面開放されたオープンなキッチンを演出できます。
また、キッチンとダイニングをシステムキッチンで仕切って、セミオープンな空間づくりも壁付け型で実現可能です。その場合は、キッチンの背面には腰壁を設置するなどします。
ほかにも、キッチン室をダイニングと切り離し、独立したキッチン室の壁にシステムキッチンを設置する場合もあります。
それぞれの設置スタイルの特徴を解説します。
空間が広く使える!オープンタイプ
キッチンとダイニングを一体として一方の壁面にシステムキッチンを取付けるレイアウトで、I型、L型キッチンが採用されます。
このレイアウトでは、キッチンとダイニングとの間に仕切りがないため食事の支度をしていても家族とのコミュニケーションがとれ、子供に家事を手伝ってもらいやすいといったメリットがあります。
しかし、ダイニングからキッチンが丸見えになってしまい、料理のニオイなどがダイニングに広がるといたデメリットもあります。
ほどよい間仕切り感!セミオープンタイプ
キッチンとダイニングをキッチンやカウンターで仕切ったレイアウトです。
システムキッチンで仕切る場合は、キッチンの高さ程度の造作壁(腰壁)を立てて、そこにシステムキッチンを取り付けます。システムキッチン上部に収納ユニットを設置する場合は、同様に造作壁を天井に取り付けて収納ユニットを取り付けます。
このスタイルでは、キッチン上部を介してキッチン室とダイニングが繋がりますから、対面式キッチンとして調理中も家族とのコミュニケーションがとりやすく、ダイニングやリビングを見渡せるので、キッチンの閉塞感がないといったメリットがあります。
デメリットは、料理のニオイなどがダイニングに届く場合があるという点です。これは、レンジ部分には壁を立てるなどのリフォームの工夫で解決できます。
このレイアウトでは、I型、L型、U型キッチンが取付けられます。
音やニオイも大丈夫!独立型タイプ
キッチンをダイニングやリビングとは独立させた部屋とし、システムキッチンをキッチン室の壁に面して設置する取付けの形です。
キッチンがダイニングやリビングから独立しているため、魚を焼いた煙などがダイニングやリビングに届きにくく、急な来客でもキッチンが散らかっていても気にならないといったメリットがあります。
このレイアウトでは、I型、L型、U型キッチンが取付けられます。
ダイニングが見渡せるペニンシュラ型(対面式)
ペニンシュラ型キッチンのペニンシュラは英語で「半島」を意味する言葉。
システムキッチンの一方の短辺を壁に付けて設置したレイアウトで、壁付け・セミオープンタイプのレイアウトで腰壁(造作壁)がない形と同様です。システムキッチンは、ペニンシュラ型用に背面が化粧板や収納になったタイプを採用します。
ペニンシュラ型のメリットは、対面式キッチンとしてのコミュニケーションのしやすさ、開放感です。
また、次に紹介するアイランド型キッチンよりも匂い漏れや油汚れに強いといった特徴もあります。ペニンシュラ型キッチンは一方が壁に接しているので、そこにコンロと換気扇を設置し壁にキッチンパネルを張れば、対面キッチンの開放感を保ちながら汚れた空気を強力に排気することが出来ます。種々の換気扇が使えるのも魅力です。
デメリットは、収納スペースが不足しがちなことです。壁付け型の場合は、キッチン台の下だけでなく上部にも収納ユニットを設けることができて豊富な収納を確保できます。
しかし、ペニンシュラ型キッチンでは上部に収納ユニットを設置すると、その魅力である開放感が損なわれます。大きな収納スペースが必要な場合は、背後にパントリーを設けるなどすることで解決できます。
外国のキッチンのようなアイランド型
システムキッチンの周りを一周できるのがアイランド型のレイアウトで、専用のアイランドキッチンのユニットを設置します。
アイランドキッチンのメリットは、開放感とスタイリッシュさです。
他のレイアウトに比べ、調理スペースが多く、視界も広がるため、効率的に料理ができ、複数で作業が可能です。アイランドキッチンを囲んだホームパーティーなどが可能です。
デメリットは、設置に広いスペースを必要としてしまうことです。理想とされるアイランドキッチンには7.5畳の広さが必要と言われています。
また、収納スペースが少ない、調理の匂いがダイニング、リビングに広がりやすいといったデメリットもあります。アイランドキッチンは、従来のキッチンよりも価格が1.5~2倍の高価格になります。
キッチンリフォーム費用を上げてしまうポイント
キッチンリフォーム費用の一般的な目安は50〜150万円と幅があります。
キッチンリフォーム費用は、交換するシステムキッチンの商品代金と、その取付工事費用、キッチン室の内装工事などの付帯工事費用で構成され、交換するシステムキッチンの商品代金が総支出費用に大きく影響します。
賢く適正予算でキッチンリフォームしていただけるよう、システムキッチンのリフォーム費用に影響するポイントを解説します。
システムキッチンのグレード
システムキッチンには、各社がその見栄えなどから価格帯を分けたグレードがあることは先に紹介しました。
調理に必要な機能は、最も低価格帯のスタンダードグレードで満たされています。
ミドルグレードやハイグレードになると、より使い勝手を高める機能や、見栄えを高める材料などが使われています。そのため、各グレードの中でもシステムキッチンの形状・大きさにより価格に幅が生じます。
上位グレードで標準採用されている機能も、低位グレードではオプションで選べる場合もあります。キッチンリフォームに当たっては、リフォームで改善したい事を明確にして、そのための必要十分な機能を選択するようにしましょう。
システムキッチンの大きさ
グレードと合わせて、システムキッチンの商品代金を大きく左右するのがキッチンの大きさと形状です。
システムキッチンの価格は、各種収納ユニットと、シンクが一体となったトッププレート、水栓、レンジなどの部材の各単価を積み上げて構成されます。そのため、幅、奥行きなどの寸法が大きくなればなるほど価格は上がります。
また、I型に対してL型やU型はトッププレートが複雑になる分だけ価格が上がります。
さらに、ペニンシュラ型や、アイランド型は、システムキッチンのユニットの裏側も目に見える部分となるため化粧材を張ったり、収納部にしたりするため、その分の費用がさらに高くなります。
ビルトイン機器とオプションの選択
システムキッチンに組み込むコンロは、どのキッチンメーカーであってもガス式、IH式などから選べます。そのコンロにも、コンロトッププレートの材質や、機能によりグレードがあり、選択によって、キッチンリフォーム費用が上下します。
さらに、オプション設定されているビルトイン食器洗浄器、ビルイトイン浄水器などの採用も同じです。商品代金とその取付け工事費用分だけリフォーム費用を引き上げます。
但し、ビルトイン機器は、システムキッチン設置後に別途工事するより、キッチンリフォームのタイミングで取付け工事しておくのが一番収まりが美しく、工事費用も安く抑えられます。
リフォーム時にどこまでオプション機器等を採用するかは、十分に吟味する必要があります。
システムキッチンのパーツにこだわる
キッチンのリフォームで、見栄えに大きく影響するのが、カウンタートップ(天板)の材質と、扉材、取っ手などです。
また、システムキッチンの商品代金に大きく影響しているのも、これらの部材です。カウンタートップ材では、ステンレスが一般的で、人工大理石になりますと、見た目は美しいですが割高になります。
扉材の総費用への影響も大きく、化粧材を合板表面に張ったものから、ピアノ塗装を施したものや、無垢板のものまで多様な選択肢があります。
費用対効果を考えた賢い選択が重要です。
キッチンのレイアウトを変える
キッチンリフォームで、キッチンのレイアウトを壁付けのI型からアイランド型などのほかのタイプに変更することは可能ですが、工事費用が高くなることに留意しておく必要があります。
システムキッチンには、水道の繋ぎ込みや排水を排出する排水管の接続が、キッチンユニットで隠れた床や壁の位置に穴を空けて取られています。コンロ用のガスも同様です。
そのため、同じレイアウトで同じ寸法のシステムキッチンへの交換では、前のキッチンの上下水道、ガス接続穴と各配管が使え、フローリングや壁を交換しなくても工事が可能です。
しかし、システムキッチンの設置場所が動く工事では、前のシステムキッチン隠ぺい部に空いていた穴をふさぐため、キッチンのフローリング、壁の張替え、上下水道、ガスの配管工事が追加費用として発生します。
壁付けのI型キッチンをセミオープンタイプのレイアウトに変更するには、新たに腰壁を造作するなどのリフォーム工事も必要となります。
キッチンリフォーム費用は50~150万円が半数を占める!
システムキッチンは、多様な選択肢の中から、お使いになる方の使い勝手・センスに合わせて各種部材を組み合わせて組みあげる、セミオーダーメイド型の商品です。また、採用できるオプション機器も多数あります。
そのため、ガスコンロや給湯器のように価格が決まった工業生産品ではなく、リフォームされるお客様の選択で価格が決まります。一般的なキッチンリフォーム費用は50~150万円と言われています。
キッチンのレイアウト変更などで費用が高くなるのは、前に説明したとおりです。
システムキッチン本体だけじゃない!こんな費用が必要
キッチンリフォームには、システムキッチンの商品代金だけでなく、システムキッチンの取付工事費用、キッチンの内装工事費用がかかります。
それぞれの工事の中身を解説します。
取付工事費用
キッチンリフォームでのシステムキッチンの交換では、すでにあるキッチンの解体・撤去・処分と、撤去後の床や壁の補修工事を行った上で、新たなキッチンを取り付ける工事が必要となります。
キッチンの取付け場所が大きく変わらない場合であれば、これら一式の工事費用はおおよそ30~40万円ほどになります。
キッチンの内装工事費用
システムキッチンのレイアウト変更では、床壁の張替えや、造作壁設置などを伴うことは前に紹介しました。
これらの工事はキッチンの内装工事費用としてリフォーム見積りなどには記載される事項です。その費用は、リフォームするキッチンの広さや、フローリング材の材質などによっても価格が大きく変動します。
特に、壁付け型のキッチンからアイランド型のキッチンへの変更では、床壁のリフォーム、上下水道配管、ガス配管工事だけでなく、天井に新たな換気扇、換気ダクトを取り付ける屋根裏工事なども必要となり、他のレイアウト変更より割高になります。
具体的な例を紹介!価格帯別キッチンリフォーム例
次に、価格帯別で可能なリフォームメニューを紹介します。(写真はイメージです)
50万円前後でできるキッチンリフォーム
戸建て住宅、マンションで最も多く採用されているI型キッチンをレイアウト変更なしで、同型のスタンダードクラスのキッチンに変更する場合が、一番廉価なキッチンリフォームとなります。
システムキッチンサイズも標準的な1800~2400mmで、ガスコンロ採用の場合で、おおよそ50万円でキッチンリフォーム一式(システムキッチンの商品代金と取付工事)が可能です。
このリフォームでは、トッププレートはステンレス、システムキッチンのトッププレート下収納は、各社とも開き扉のラインナップが中心となります。
下新田町リフォーム中古住宅のキッチンです! pic.twitter.com/NwYueLfpY5
— 徳江 梓 (@Tokue_Azusa) 2013年3月16日
100万円前後でできるキッチンリフォーム
キッチンリフォームに100万円前後かけると、I型あるいはL型のキッチンをレイアウト変更なしで各社のミドルクラスのシステムキッチンに交換できます。
ミドルグレードでは、トッププレートは、ステンレス、人工大理石から選べ、収納もスライド式が中心となり、キッチンの作業性と、見栄えが向上します。コンロもガス式だけでなく、IH式も選択できるようになります。
築25年くらいの一戸建てシステムキッチンをL型からI型へ交換&フローリング工事しました!http://t.co/sbVhRlkVLE pic.twitter.com/0JRZPfjg7g
— 体育会系不動産部ohkawa (@housecreate) 2015年6月5日
150万円前後でできるキッチンリフォーム
壁付きのI型キッチンをセミオープンタイプのキッチンにリフォームするなど、システムキッチンの設置位置・レイアウトの変更を伴うリフォームを、ミドルグレードのキッチンを選んで行う場合には、150万円ほどの費用がかかります。
レイアウト変更に伴う、キッチン部分の壁床などの改修工事、造作壁設置といったキッチン内装費用が追加でかかる分だけ、レイアウト変更なしの場合より割高となっています。
200万円前後でできるキッチンリフォーム
各システムキッチンメーカーとも、ペニンシュラ型やアイランド型といった対面式のキッチンはグレードの高いゾーンに品揃えされています。
現行のシステムキッチンがペニンシュラ型かアイランド型で、同じレイアウトでリフォームを計画し、ハイグレード品を採用したとすると、リフォーム費用は200万円前後かかることになります。
費用はかさみますが、システムメーカーが品揃えする最上位機種の採用で、圧倒的な高級感のある上質なキッチンリフォームが可能です。
キッチンリフーム完了しました。今回のキッチンはLIXILのリシェル。セラミックトップ天板のハイグレードなキッチンです。ショールームでの打合せを何回も行い、納得出来るリフォームになりました。工事の職人さんがみんないい人でとても良かったとお褒めの言葉を頂きとても励みになりました。 pic.twitter.com/ckvvluzQO6
— 中山卓史 (@sanailab) 2018年5月23日
250万円前後でできるキッチンリフォーム
ハイグレードのシステムキッチンを採用して、セミオープンタイプのレイアウトからアイランド型への変更といった、レイアウト変更の伴うリフォームを計画すると、さらにキッチン内装費用の追加が発生し、目安費用は250万円前後かかるようになります。
このクラスのリフォームでは、キッチン、ダイニングの空間に余裕があることが前提で、存在感のある上質な空間を演出できるリフォームとなります。
キッチンリフォーム費用は複数見積りでしっかりチェック!
キッチンのリフォームでは、採用するシステムキッチン自体が、お使いになる方の使い勝手、センスに合わせて、各種部材を組み合わせて組みあげるます。つまり、セミオーダーメイド型の商品のため、価格は数十万円から200万円超まで大きく変化します。
設置・付帯(キッチン内装)工事も、レイアウト変更の有無などで大きく変動します。
そのため、リフォーム検討に当たっては、採用したいシステムキッチンの仕様を十分に検討し、その仕様に基づいて複数のリフォーム業者から工事見積りを取り、内容を比較吟味して、リフォーム業者を選定することが重要です。
その場合、採用するシステムキッチンのメーカー、タイプ、仕様を固定して複数のリフォーム業者から見積りを取ることも出来ますが、リフォーム業者が得意なシステムキッチンメーカー品で同等仕様品で見積りしてもらうことも、価格検討では参考になります。
見積書は項目や摘要も確認する
見積り検討の最初のステップは、リフォームで取り付けたい新たなシステムキッチンの仕様を決めることです。
そのためには、キッチンリフォームで実現したいこと、明るく開放的キッチンにしたい、IH調理器に変えたいなどの希望を明確にしたうえで、キッチンメーカーのショールームに行ってキッチンアドバイザーなどのプロにコンサルティングしてもらうのがおすすめです。
キッチンメーカーでは、コンサル結果に基づいてリフォーム工事見積りも作ってくれます。キッチンメーカーで採用したいキッチンの仕様を決めてもらえれば、その仕様に基づいて、ほかのリフォーム工事業者にリフォーム検討してもらうと、めざすリフォーム工事のイメージを一緒にした比較見積りが作れます。
なお、リフォーム業者によっては撤去する現設置キッチンの廃棄を下請け業者に委託し、廃棄時に下請け業者に別払いとなっていたり、システムキッチンのオプション機器据え付け工事費が別途費用となっている場合もありますので、見積りの比較検討では摘要欄なども十分確認し、総支払い費用で比較することが重要です。
キッチンリフォームを請け負う会社とは?
キッチンリフォームは、システムキッチンメーカー(住宅設備メーカー)だけでなく、自宅を建築されたハウスメーカー、工務店や、ホームセンターでも行えます。
それぞれの会社でのリフォームの特徴を解説します。
ハウスメーカー
ハウスメーカーでは、ハウスメーカーオリジナルのシステムキッチンを開発、提供しています。オリジナル品は、長年の住宅供給のノウハウに基づき使い勝手を高めた仕様とし、ハウスメーカーが新築・リフォームで標準採用することで大量に生産して、価格を安く抑えています。
ハウスメーカーオリジナルキッチンは、万人向けのキッチンが安く手に入るといったメリットがあります。
リフォームで細かい部分にまでこだわらない場合はおすすめですが、自分仕様のこだわりを持ったシステムキッチンを取り付けたいお客様には、物足りない選択となるかもしれません。
工務店(大工さん)
ハウスメーカーと同様に、自宅のリフォーム工事を信頼して任せられる会社・業者の一つが自宅を建てた工務店です。地域密着型企業として、ご自宅の不具合へのちょっとした修理から点検まで、ご自宅のホームドクターと機能している場合が多く、安心して工事を任せられます。
しかし、システムキッチンの細かい仕様検討あたってアドバイスしていくキッチンコンサルティング能力は乏しい場合も多く、工務店同行でキッチンメーカーのショールームを訪問し、システムキッチンのコンサルティングを受けることになります。
このように、密に接触することとなるため、工務店でのリフォーム検討では他社と見積り比較検討がしづらくなるといった側面もあります。
リフォーム専門会社
キッチンリフォームを得意とするリフォーム専門会社は、多くのシステムキッチンメーカーの最新の情報を持ち、取付け工事にも精通しています。
そのため、多くのシステムキッチンメーカー品の中から自分仕様のキッチンを絞り込んでいきたいとお考えの方には最適のリフォーム業者です。
住宅設備メーカー
採用したいシステムキッチンのメーカーが絞り込めている人におすすめです。
同社のショールームを訪問にて、最新式のキッチンを見てさわって確認しながら、キッチンアドバイザーにリフォームコンサルしてもらう事ができます。
住宅設備メーカーのショールームでは、その会社の商品しかみられないため、他社品と比較した特徴等はわかりません。
ホームセンター
リフォーム事業を行うホームセンターでは、代表的なキッチンメーカーの商品を比較展示したショールームを併設しています。
特定のメーカー品にこだわらずに、キッチンを確認したいとお考えの人には最適の検討先となります。
大手家電量販店
ガスコンロをIHヒータに交換するとか、ビルトイン食器洗浄器を取り付けるといったキッチン周りの家電製品に絡む部分リフォームには最適の相談相手です。
家電量販店は、家電製品を大量仕入れしていますので、キッチン周りの家電品を安く取付けできるメリットがあります。
また、家電量販店では、独自の商品延長保証制度を取っている会社が多いことも魅力です。
電気・ガス会社
自宅キッチンのコンロ、給湯器といったガス器具、電気器具の部分リフォームには、ご自宅で契約されている電気会社、ガス会社に相談されるのもおすすめです。
電気会社、ガス会社は、電気、ガスに関する工事に精通しており、安心して取付け工事を任せることができます。
商品は、それぞれの会社が定期的行う商談会のタイミングで確認・相談すると、現物を見ながら話が出来ます。
費用を安く抑える方法
キッチンリフォームで検討すべきポイント、費用の内訳、リフォーム工事業者別の特徴などについて説明してきました。
次は、リフォーム費用を安く抑えるコツを紹介します。
システムキッチンの費用を抑える
キッチンリフォームで総費用の過半を占めるのがシステムキッチンの商品代金です。
キッチンリフォームで実現したいこと希望を明確にしたうえで、キッチンリフォームのプロにコンサルティングしてもらって、新たに取り付けるキッチンの仕様を決め工事見積りを取ると、計画したリフォーム費用をはるかに超えたということはよくあります。
その時のコストダウンの第一に検討すべきなのが、キッチンの見直しです。
各キッチンメーカーは、価格帯を分けた商品グレードを設定しています。商品グレードを下げて、当初希望したものと同等の仕様を選ぶと数十万のコストダウンが図れます。
また、リフォーム業者はそれぞれの会社が得意なキッチンメーカーがあります。そのメーカー品だと、取引量の多さから値引き率が高く設定されている場合もあります。
リフォーム業者に相談し、当初決めたメーカーのキッチンと同等仕様品を業者得意メーカーで再選定してもらうと、商品代金を圧縮できる場合も多々あります。
繁忙期をさける
住宅リフォームには、工事が集中するタイミングがあります。年度替りで転居が集中する時期と、年末前です。転居先を綺麗にしたい、新年をきれいなキッチンで迎えたいといった要望で、リフォーム工事が多くなります。
この繁忙期には、工事する職人さんが手一杯となっていることも多く、工事代金の値引き交渉等はあまり期待できません。繁忙期を外してリフォーム工事を相談すると、工事代金の値引き交渉もしやすくなります。
また、今後、消費税の引き上げが想定されていますが、その直前は大型買い物が集中します。リフォーム工事も同様です。すでにキッチンリフォーム工事をお考えのお客様がおられましたら、早めに工事したほうが、コストを抑えられる可能性が大きいです。
リフォーム費用が膨らまないよう業者に相談する
キッチンリフォームは、選択するシステムキッチンの内容、取付け位置などで価格が大きく変動することは説明しました。
これらを頭に入れながら、リフォーム費用と仕様を調整していく作業はすごく大変です。この作業をプロにお願いするのもおすすめの方法です。
キッチンリフォームの専門業者さんなど、キッチンリフォームが得意なリフォーム事業者さんに、リフォームで実現したいキッチンのイメージ・希望を伝えると同時に、工事費用の上限も伝えておくと、その範囲内で実現できるリフォームプランをプロの目線で描いてくれます。
女性プランナーを抱えたリフォーム業者さんも多く、キッチンを使う立場に立ったリフォームプランを想定費用の中で実現してくれます。
まとめ
キッチンリフォームは、選ぶシステムキッチンのグレード、仕様、取付け位置などでリフォーム費用が大きく変動します。また、定価がないため、リフォーム費用の値ごろ感も掴みにくいといった課題があります。
賢いリフォームを実現するには、自身がリフォームで実現したいことを明確にして、複数の業者に相談の上でリフォームプランと見積り書を作成してもらい、比較検討する作業が重要になります。
キッチンリフォームは価格の幅が広いので、あらかじめ工事上限価格を決めて、業者さんにプラン検討をお願いするのもおすすめの方法です。
プロに依頼すると、自身が想定したリフォームイメージを超える素晴らしいリフォームアイディアが提供されることも多いものです。いろいろなリフォーム業者さんに相談して、ご自宅に最適のリフォームを実現しましょう。